食品ロスの現状
日本では年間1,800万トンが食品廃棄物として捨てられています。
そのうち、消費期限前のまだ食べられるのに捨てられるのは700万トンもあります。
これは1人当たり1日おにぎり2つ分の量にのぼります。
そのうちの50%が飲食店から、残りの50%は各家庭から出ています。
世界の食糧難の方に支援される食品の量は1年間に350万トンです。
日本だけで、世界の食糧支援の2倍もの食べられる食品を捨てているのです。
700万トンの内、動物のエサなどへのリサイクルされるのは3割程度に留まり、
後の7割は完全に廃棄されています。
1トン処理するのにおよそ10万円の費用がかかり、その内の半分が税金から充てられています。
食品を作るのにお金はかかりますが、捨てるのにも莫大なお金がかかるのです。
生ごみ処理機の記事でも述べましたが、生ごみを廃棄する事は環境にもよくありません。

3分の1ルールの緩和を
日本の食品業界には、賞味期間全体を3分の1ずつ均等に区切り、最初の3分の1が「納品期限」、次の3分の1が「販売期限」と定める「3分の1ルール」という商慣習があります。
それぞれの期限を過ぎると、まだ賞味期限前にも関わらず廃棄処分されてしまうのです。
これは法律で決められているわけではないが、企業が余裕をもって消費者に届けるために根強く残っている習慣です。
しかし、これは余裕を持ち過ぎて結果的に損失の方が多いような気もします。
新鮮なものを食べたいという消費者のニーズにこたえたものではあるが、結果として廃棄時にかかるコストがかさみ、値が上がるという悪循環にもなっていないでしょうか。
海外では納品期限を4分の3や、2分の1等日本よりも余裕があります。
ある程度大量廃棄することを前提としている日本の3分の1ルールの緩和を望みます。
きっと売り上げは変わらないどころか、経費削減にも繋がり環境にも良いので正に一石二鳥でしょう。

フードバンクの活用を
フードバンクとは世界的にあるもので、食べきれなかった消費期限前の食品を他の人や団体に渡してシェアするというものです。
これは、廃棄処理にかかる費用の削減、貧困の救済や、生ごみが減ることで環境にも良いという繋がる最高のシステムだと思います。
日本にも全国にフードバンクを行う団体がありますで、ぜひゴミ箱に捨てる前にフードバンクを活用されてみてはいかがでしょうか。

ドギーバッグの利用を
飲食店で食べきれなかったものを持ち帰るドギーバッグというシステムがあります。
アメリカでは外食での食べ残し食品を持ち返ることを推奨しているのですが、その際に使用する容器を「ドギーバッグ」といいます。
食べ残しの持ち帰りが恥ずかしいので、“自宅で飼っている犬のエサにする”という建前で持ち帰ったということから、このような名前がついたそうです。
お店も廃棄ロスが少なくて済み、消費者も家庭での食事が増え、さらに環境にも良いという最高のシステムだと思います。
日本では未だ普及していない背景には店側のリスクにあると思います。
それは、客が自己責任で持ち帰るという考えが浸透すればドギーバッグはもっと当たり前になるでしょう。

今日のひとこと
もったいないの精神を忘れなければ、食品ロスは大幅に減らせる